ヤングケアラーってなに?支援は?

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ヤングケアラー

最近、「ヤングケアラー」というワードを聞きました。何となく想像はできるけれど、お手伝いとの線引きは?具体的にどうしてあげたら良いの?と疑問に思ったので調べてみました。

目次

ヤングケアラーとは

子ども・若者育成支援推進法は、ヤングケアラーを「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」として定義しています。

もう少しわかりやすくした表現では、「本来、大人が担うと想定されているような家事や家族の世話などを日常的に行っている子ども」としています。

家族の手伝いをするのは「ふつうのこと」と思うかもしれません。でも、学校生活に影響がでたり、心身に不調を感じるほどの重い負荷がかかっている場合は注意が必要です。こども自身の現在と将来に様々な影響が考えらます。

「過度」「大人が担うと想定される」「重い負荷」など明確な定義、線引きが難しいですが、一人一人のこども・若者の客観的な状況と主観的な受け止め等を踏まえながら、ヤングケアラーに該当されるか個別に判断されます。

ヤングケアラーの対象年齢は、こども期(18歳未満)に加え、進学や就職の選択など、自立に向けた重要な移行期を含む若者期を切れ目なく支えるという観点からおおむね30 歳未満を中心としているが、状況等に応じ、40歳未満の者も対象となり得ます。

法律

国では、令和4年から実態調査を行いました。実態調査の結果わかったことは、2つあります。

  1. 全体の0.7%に、自分だけで家族の世話をしている小学6年生がいる。
  2. 上記のうち、1.9%の子どもが1日3時間以上お世話をしている。
  3. 家族の世話をしている子どもの方が、世話をしていない子どもよりも遅刻や早退、欠席する割合が10%以上高くなっている。
  4. 上記から、学校生活を含むこども自身への影響が少なくない状況であり、支援の必要性・緊急性が高い者も確認されている。こども自身の現在と将来に様々な影響が考えられ、ヤングケアラーへの支援は急務である。

課題としては、ヤングケアラー支援に関する法制上の位置付けがないことに加え、地方自治体内において、誰が支援の実施主体として、どのような支援を行うかが明確でなく、地方自治体ごとに、取組の進捗状況や支援内容にばらつきがありました。

そこで、令和6年6月12日に子ども・若者育成支援推進法を改正し、そこにヤングケアラーを明記しました。また、具体的な支援のあり方についても示しました。以下がその例です。

  1. ヤングケアラーの把握
  2. 支援の必要性、緊急性の高い者への優先的な支援

「優先的な支援」について、もう少し詳しく調べたいと思います。

支援

要支援児童等に該当する児童については、市区町村のこども家庭センター等においてサポートプラン(SP)を作成し、包括的・計画的に支援を行う。

18歳以上については、個々の若者の相談に応じ、その状況やニーズ・課題の整理の支援を行う。

本人が担っているケアを外部サービスの導入により代替していくといった具体的な支援を行う。

介護保険、障害福祉サービス等の関係機関・部署に対して、子が主たる介護者となっている場合には、子を「介護力」とすることを前提とせず、居宅サービス等の利用について十分配慮して支給決定等を行う必要があることなどの認識を十分共有する。

さらに具体的な支援については、以下の14から16ページをご参照ください。要約すると、高齢者なら介護サービス、障害者なら障害者サービス、病気なら医療サービス、貧困なら生活保護、幼い子どものきょうだいがいるなら子育て支援、本人が悩んでいるならカウンセリング、就労に関する支援が必要ならハローワークがありますよ、というものです。

ヤングケアラー自身や保護者が支援に対し拒否している場合

市区町村のこども家庭センター等においてサポートプランの作成に向けた働き方を丁寧に行う。

外部サービスの導入に当たっては、家族全体を支援する視点を持って、家庭内の状況や家族の関係性、心情等にも十分留意しながら、丁寧な説明等を行い、その理解を得ながら利用を促す等の対応を行う。

留意すること

こども・若者や保護者等の複雑な心情等にも十分に配慮する。

ヤングケアラー本人の受け止めを丁寧に捉え、こども・若者の気持ちに寄り添いながら、保護者等の状況や心情も十分踏まえて、肯定的・共感的な関わりを心掛ける。

相談先

もし、自分がヤングケアラーではないかと思ったら、友達や子どもの知り合いなどがヤングケアラーではないかと思ったら、どこに相談したら良いのでしょうか。

以下で全国の相談窓口を検索することができます。

相談先は、各市町村のこども家庭センターなど子育て支援担当課や、全国を対象にしたSNSでの相談窓口があるようです。

おわり

ヤングケアラーとその支援についてまとめました。

ヤングケアラーとお手伝いの線引きは客観的・主観的な状況から判断されること、個々の状況に応じた支援があること、支援を拒否されても利用を促すなどの関わりは必要であること、対面の他にSNSでの相談窓口もあることなどを知ることができました。

ヤングケアラーはデリケートな問題です。「お手伝いだから」「ずっとじゃないから」「本人がしたくてやっているから」「家族が助け合うのは当然」など本人も家族も様々な思いがあると思います。

子ども本人の利益のため、家族も本人も関係者も最善の判断ができたら良いですね。

そのために、子どもの気持ちは大事に聞きつつ、必要なことは伝えていける大人になれたらなと思います。もちろん、あまりにひどいケースには子どもを家庭から引き離し安易に帰さない強制力も必要だと思います。

ただ、ヤングケアラーの難しい問題は親も子どもも問題意識が無いことであったりするんですよね。親の介護で欠席が多い、でも親は「別に強制してない。子どもがいてくれて助かっている」、子どもは親の手前、親の顔色を見ながら「学校は行きたくない。家で勉強しているし、困っていることはない。お手伝いすると、親が喜んでくれて嬉しい」なんて事例を聞いたことがあります。一見、問題なさそうに見えるけど、親の介護が理由で欠席や遅刻が長く続いたら?その間、子どもが学校で学ぶはずだった知識は?友達との関わりや体験は?それらが積み重なってこれからの人生、自立して生きる基礎となるのに…。学校は勉強するだけではなく、集団生活を通して、色々な人がいること、色々な考え方があって良いこと、仲間関係、支えられて、支えて、アイデンティティを見つけて自己を確立していきます。

地域のつながりが乏しく、子どもに冷たい社会になったと揶揄されるこの頃ですが、親や子どもに、「それ(過度な介護や家事など)は子どもがすることじゃない」「子どもは泣くこと、遊ぶこと、食べること、学ぶこと、失敗することが仕事なんだ」と優しく諭せる人がいたらいいな~と思います。

もしかして、それが地域のおせっかいおばさんこと、保健師の役割なのでしょうか…?それか保育士?幼稚園教諭?教員?児童相談所?こども家庭センター?支援センター?それとも祖父母?近所の人?まぁ教える人は個人の力量に左右されますし、話しやすい相性の良い人がいたり、助言を受け入れるタイミングもありますから、様々な方面からアプローチができれば良いんでしょうかね。

様々な意味で、子どもに優しい社会になれば良いな~😊

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この記事を書いた人

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