以前、M-CHAT(自閉症スクリーニングの質問用紙)を紹介しましたが、今回はSDQをご紹介します。
SDQとは
SDQ(Strengths and Difficulties Questionnaire:子どもの強さと困難さアンケート)とは、こどもの情緒や行動を評価するためのアンケートです。英国で開発されたスクリーニング尺度で、世界各国で使用されています。
アンケートの内容は、困難さと強みに関する 25 項目の質問から構成されています。
採点を行い、困難さの4カテゴリーの合計得点が高いほど支援の必要性があることを示します。強みの項目は得点が高いほど向社会性があると解釈できます。
親だけでなく、保育士や幼稚園教諭にも記入してもらうことで、家庭での特性と集団生活での特性を知ることができます。
対象は、2歳からです。2歳から4歳、4歳から17歳、18歳以上と質問用紙が分かれています。11歳以上は自分で記入できます。最近は5歳児健診や5歳児発達相談でも使用する自治体があるようです。
わかること
情緒、行為、多動/不注意、仲間関係、協調性、共感性などの子どもの強さと困難さです。これらから、支援が必要なのかスクリーニングできます。
特に、不注意と多動の検出に優れています。
ただし、得点に関わらず、本人に困り感がある時もありますので、得点だけで判断せず、問診や診察などの所見とあわせて総合的に支援の必要性について判断します。
参考
gosaiji.toukyouhousiki.pdf (med.or.jp)
5歳児との関連
SDQは5歳児健診や5歳児発達相談に使われることが多いです。
5歳の時期
5歳は幼児期において幼児の言語の理解能力や社会性が高まり、発達障害が認知される時期です。
5歳でSDQをするメリット
発達障害があった場合、保健や医療、福祉による対応の有無が、その後の成長・発達に影響を及ぼします。こどもの特性を早期に発見し、特性に合わせた適切な支援を行うことが、幼児の健康の保持及び増進を図るために必要です。そこで、発達障害が認知される時期である5歳に行います。ただし、SDQだけで発達障害が診断されるわけではなく、スクリーニングとして使用します。スクリーニングの結果、より支援が必要と判断された場合、必要に応じて発達障害の詳しい検査を検討します。
回答してみた
質問票は↓のサイトにあります。
判定は↓の15ページが見やすいです。
gosaiji.toukyouhousiki.pdf (med.or.jp)
我が家には2歳児がいますので、2歳から4歳の親記入用SDQをやってみました。
判定方法
判定はやや複雑です。
私は写真のように、番号と色をつけて分かりやすいように判定しました。
青以外が総合計の点数。
赤が行為面の点数。
紫が情緒面の点数。
緑が仲間関係の点数。
青が向社会性の点数。
結果
合計は15点/40点でした。15点は支援の必要性が「ややある」という判定でした。
行為面は4点、支援の必要性ややある。
多動・不注意面は5点、支援の必要性ほとんどない。
情緒面は3点、支援の必要性ほとんどない。
仲間関係は3点、支援の必要性はほとんどない。
向社会性は5点、支援の必要性ややある。
結果の分析
我が家の子どもは、多動・不注意、情緒、仲間関係は良好なようです。
逆に苦手なのは、行為面と向社会性でしょうか。
まだ2歳だから仕方ないのかな、という気もしますが、行為面では「カッとなったり、かんしゃくをおこしたりする事がよくある」「素直で、だいたいは大人のいうことをよくきく」が苦手そうかな。
向社会性では「他の子どもたちと、よく分け合う」「誰かが心を痛めていたり、落ち込んでいたり、嫌な思いをしているときなど、すすんで助ける」「自分からすすんでよく他人を手伝う」あたりが、我が家の子どもは苦手そうです。
振り返ってみると、回答やっぱこっちだったかも…と思うこともありました。
強みと困難さが大まかにわかりました。
今度、この結果を活かして何ができるかな…
絵本をたくさん読んで、色々な気持ちがあることを教えたり、お手伝いしてくれた時はたくさん褒めたりしようかな。
あとは、消極的なことが気になるので、自信が持てるように、色々な経験をさせてあげたり、同じくらいの子どもと遊べる機会を作ったり、たくさんお話しができたら良いかな。
ただ、父も母も消極的な方で、やりたいことはあったりするけど、自分からはあまり言わない、ただ聞かれれば喜んで答えるようなタイプです。また、積極的と好き勝手は違ったりもするので、絶対に消極的がいけない、とは思っていません。
子どもが生きやすい程度に消極性も積極性も場面や空気感などで適切に使い分けできるようになれたら良いなと思います。大人も難しいことなのですが…😊💦
おわり
SDQを通して、子どもの長所と短所が少しわかった気がします。
また、5歳ごろにやれたら良いなと思います。
実際にやってみて、解決したいことや、子どもによって良い関わりやサービスを具体的に検討したい場合は、市町村がやっている発達相談や療育相談、所属している幼稚園や保育園の先生に相談すると適切なアドバイスが得られるかもしれません。