認知症講演会に参加した感想

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認知症

先日、地域で開催された認知症講演会に参加しました。
この講演会では、地域包括支援センター職員による国の認知症施策の紹介、軽度認知症当事者の方のお話、認知症サポート医による講話が行われました。今回はこの内容と感想をお伝えします。

目次

国の認知症施策について

冒頭では、地域包括支援センターの職員から、国の認知症施策について紹介がありました。

  • 「共生」と「予防」が重要。
  • 「共生」とは、認知症の人が、尊厳と希望を持って認知症と共に生きること
  • 「予防」とは、認知症になることやその進行を遅らせること
  • 「早期発見」「早期対応」で発症後の進行を遅らせる。

これらの施策は、認知症になっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる社会の実現を目指すものです。                      
単に“認知症を治療する”ことだけでなく、“共に生きる”ことを重視する視点が強調されていたのが印象的でした。

軽度認知症当事者の方のお話

次に、軽度認知症の当事者の方が登壇され、事前に撮影されていたインタビュー映像の投影と司会の方との掛け合いでお話しをされました。

  • 軽度認知症と診断され、医師に「まだ本が読めるから、軽度認知症についての本を読んでみて」と言われ、「いつか本が読めなくなる」と感じ、辛く、家でしばらく泣いていた。
  • どの本でも、認知症には「楽器」が進行を遅らせると書いてあり、音符も読めなかったが、ピアノ教室に通い始めた。ピアノ教室の先生がとても優しく、今では両手で「エリーゼのために」を弾けるようになった。
  • 軽度認知症が少し良くなった頃、医師に「人のために何かしなさい。その方が長く元気でいられる。」と言われ、介護予防のボランティアを始めた。最初は言葉に詰まり、会話が続かずボランティアの途中で帰ってしまった。しかし、自分に声掛けして助けてくれた人がいて続けられた。
  • 認知症は怖い病気ではない。軽度認知症の今の状態で寿命までいけたら幸せ
  • 軽度認知症になり、みんなにそのことを伝えた。結果、優しくしてくれる人と一緒にいれば心地良い。ただ、いじめみたいにしてくる人もいたが、それは覚悟のうえでカミングアウトした。
  • 周りの理解があれば、安心していられる。感謝もしているし、もっと良くなろうと頑張れる。
  • もし、みんなの前で傷つけられることがあれば立ち上がれないと思う。自尊心は無くならない。
  • 怖そうな目で見られるのも辛い。馬鹿にされるとわかる。感覚はむしろ良くなっている。尊敬してとは言わないが、馬鹿にしないで欲しい。


特に「尊敬してとは言わないが、馬鹿にしないでほしい」と語られた中に、当事者としての切実な思いが込められており、心に残りました。
また、「軽度認知症の今の状態で寿命までいけたら幸せ」という言葉に「なるほど」と思いました。認知症を恐れ、怖がるよりも、それに前向きに向き合い、進行を予防することで、現在の暮らしを維持できるのだと思いました。
認知症になっても一人の人として尊重されたいという気持ちは、誰にとっても共通するものです。
地域包括支援センター職員からは、「みんながそれぞれ近くの方に優しくして、良い地域づくりをしていきたい」という言葉もありました。
日常の中でのちょっとした声かけや思いやりの積み重ねが、共生社会をつくる第一歩になると感じました。

認知症サポート医による講話

続いて、認知症サポート医の先生からは「認知症の治療」や「運転」をテーマにした講話がありました。

  • 認知症の治療や予防には耳と目の健康が大事
  • 難聴の方には、適切な補聴器を付ける。
  • 白内障は転倒する前に、早めに手術をする。
  • 自動車事故の死亡数は75歳以上が1番多い。自動車の運転は危険だが、地域柄、運転しないと生活が維持できない事情もわかる。知っている道を昼間のみの運転にすると、事故の危険が減る。認知症と診断されると、原則運転はできなくなる。そうならないためにも、早めに受診して欲しい。
  • 認知症の診断が早い方が薬の効きが良い。ただ、薬が合わない人もいる。
  • 認知症の人に怒っても症状が良くならない。短く、わかりやすく、ゆっくり話し、否定的な言葉を避ける。安心感を与え、ストレスを軽減することも重要。
  • 部屋が汚いと誤飲や転倒の危険がある。段差も無い方が良い。生活リズムは一定であると良い。
  • 介護者の負担はとても大事。適切な介護サービスを利用し、孤立を防ぐ。そのためにも、慌てず、隠さず対応する。
  • 自分で物忘れ等が気になったら、家族等身近な信頼できる人や地域包括支援センターに相談して、かかりつけ病院や専門の病院を受診して欲しい。受診時、家族が同席していると、これまでの背景も聞けて良い。


先生は、「この地域では車が生活の一部になっているが、認知症になると原則として運転はできなくなる」と話されました。また、「長く安全に運転を続けるためにも、早めに相談してほしい」との言葉がありました。
運転は日常生活に密接に関わるだけに、早期発見・早期相談の重要性を改めて感じました。
医療機関への受診だけでなく、地域や家族の中での気づきや声かけが、本人の生活の質を守ることにつながると思います。

まとめ

今回のシンポジウムを通して、「認知症=特別な人の問題」ではなく、「誰もが関わる身近なテーマ」であることを再認識しました。
共生・予防・早期対応のどれもが、地域に暮らす一人ひとりの意識と関わりの中で進んでいくものです。
当事者の声や医師の言葉を通して、これからの地域づくりにおいて“人と人とのつながり”が何より大切だと感じました。また、改めて「地域の中で支え合う」ことの意味を実感しました。
認知症の方も、その家族も、そして支える側も、安心して暮らせる地域をつくるには、まず身近なところから理解を深めることが大切だと思います。
これからも、こうした機会を通して学びを深めながら、自分にできることを考えていきたいです。

おわり

認知症を怖い病気と恐れないようにしたいと思いました。
長生きすれば、誰でも認知症になる可能性があり、なった後もこれからずっと付き合っていくもので、環境や声かけ、脳トレ等で進行を遅らせたり、安心を感じることができます。
しかし、逆に、認知症を恐れ、閉じこもってしまったり、心無い言葉や態度をかけてしまうと症状は進行してしまいます。
人生100年、少子高齢化時代、自分も周りも元気で長生きするために、「認知症にならない」ではなく「認知症と上手く付き合う」くらいの気持ちの持ちようで良いのかもしれません。そのためにも、人とのつながりを意識し、脳を活性化させていきましょう!

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この記事を書いた人

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